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歪み抜きについて思うこと 

いちころです。

 

パテの歪み抜き。・・・難しいですよね。

 

これって、皆さん的にはどうですか?

なんの問題もなくキレイに抜くことが出来る人もいれば、

反対に悩んでいる人もいるんじゃないですかね。

 

僕なんかは後者で、約30年やって来ても未だに悩むことが多く

現場をほとんどやらなくなった今でも、

夜な夜な、『あぁかな?いやこうかな』と、考えたりしています。

 

そんな僕でも、後輩くんに教えることも結構あり、

その度に、技術的なことの再確認だったり、

後は新しい気付きなんかもあったりします。

 

今回の記事では歪み抜きについて、実際の作業を通じて

僕が最近注意してる2つのことを書いていくので、

みなさんと共有できたらと思います。

 

 

パテの周りの歪み

まず最初にどの状態から始めるかなんですが、

ウチの場合は、鈑金からこういう状態で

上がってきます。

鈑金が終わって、中間パテが付いた状態です。

で、僕がまず最初に見るのは、パテの周りの歪みです。

 

ここですね。

このクルマはキレイに鈑金してくれているので

何ともなかったんですが、人によって、または

クルマや箇所によっては、パテの周りが

上がってきた時から歪んでいたりします。

 

見逃しなのか、何なのか、とにかく何か凹んでる。

直す方にとってはここ重要ですよね。

 

きれいな状態で上げてくれているので、

ここから研いでいきます。

 

 

どう研ぐか考える

パテを研ぐ時、注意することって

色々あるじゃないですか。

番手をどうするとか、当て板はコレが良いとか。

あとは研ぎ方、体勢とか。

 

もちろんそれらも重要だと思うんですが、

僕が今気になるのは研ぐ範囲なんですよ。

 

というのも、例えば中間パテを研ぐのに

ウチでは最初は#80で行くんですが、

パテを普通にそのまま研いだら、

パテの周りも#80の目が付いてしまいますよね。

お分かりのように、コレが実は結構深く、後々そのペーパー目を消そうと思ったら

まぁまぁ手間な上、下手したら歪んだりしますよね。

旧塗膜との膜圧の差で。

 

なので、それを防ぐためにこうやって研いでみました。

これで最初の粗研ぎをして、

旧塗膜にペーパー目を付けないようにするという寸法です。

粗研ぎっていうのがミソですね。

パテ全体を平らに研ぐことが目的なので、エッジは付けません。

 

研ぎ終わったのがコチラ

 

どう頑張ってもちょっと深い目が付きますね。

関係ないところも傷ついてるし。

ここちょっとミスりましたね。

ただ、このペーパー目は

エッジを付けるときの慣らし+ポリパテ

を行くので問題なし。

とにかく#80のガシガシの目だけは

何とか避けたかったので、とりあえずOKです。

 

で、ちょっと目を落として全体をなでたら

パテのキワ辺りがすごい凹んでいました。

中間が乗ってた時は気付かなかったんですが

研いだら出てきた感じですね。

ここですね。

こういうことってちょいちょいあって、

最初は研ぎ方が悪いんかなとも思ってたんですが、

そもそも研いだくらいでこんな凹むわけもなく、

今のところ、こういう歪みは

鈑金する時点でもうあったものだと思ってます。

・・たぶんね。

 

なので、範囲を広げて中間からやり直しですね。

 

 

#120で、ポリパテまで終わった状態です。

旧塗膜がちょっと削れてしまってるんですが、

コレはサフで何とか抑えます。

 

歪みを抜くときに注意することですが、

今僕が注意しているのがパテの乗せ方で、

もう少し言うと、

パテを乗せた時点で、低いところを全部埋めて

後はまっすぐ研ぐだけ、という状態にするんですよ。

 

例えば別のクルマですが、こんな感じです。

コレはポリパテなんですが、要は厚めに盛ってます。

厚めに盛ることで、低いところをなくし全部高くして、

あとは削るだけの状態にする。

そうしたら、

『ココが低い』

ということがなくなるじゃないですか。

そうしたら、うまく研げば、1発で仕上げることも出来ますしね。

 

まとめ

要点をまとめると

・荒いペーパー目を広げない

・パテを厚めに盛る

この2つです。

 

荒いペーパー目の付いた旧塗膜の処理は

結構馬鹿にならず、研ぐにしろパテにしろサフにしろ、

何をするにも範囲が広がってしまう。

そう出来る補修内容なら問題ないですが、

広げたくない場合もあるじゃないですか。

そのために対策しました。

 

厚めにパテを盛るのも、

研ぎの途中の確認でよく低いところがあって、

コレをなんとかしようと思った時、

もちろんパテを乗せる方向もあるんですが、

それプラス厚めに盛ったほうが確実やろうと。

そう思っての対策です。

 

そんな感じですね。

 

 

あとがき

今回は今思っている歪み抜きの対策について、

その中の2つを紹介しました。

 

歪み抜きに関しては、それぞれの工場で

それぞれの人が、ご自身の経験を元にいろんなやり方があると思います。

僕もいっぱい見てきましたしね。

 

ですがそれって人それぞれ独自のものだと思っていて、

上手く抜けるのであれば、それが正解。

 

そんないろんなやり方の一つとして

今回の注意点も見てくれたらなと思います。

 

 

もっと詳しいやり方については

またnoteでまとめようと思っているので

興味のある方はぜひ。

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